車内で睡眠

【寝具】

広くはない空間ですし一戸建て住宅の寝室に鎮座しているようなベッドこそありませんが、テントの中で寝袋に身体を押し込んで眠らなければいけない、 なんてことはないので初めてキャンピングカーをレンタルして山に入ろうとしている人は、その点については安心して下さい。 ではどこに寝具はあるのか、そんなの積んでいたら他の荷物がほとんど入らないしやっぱり寝袋並みのものしかないんじゃないの、と思われそうですが、 工夫して設計されているので昼間にはその姿に気が付かないだけなのです。 睡眠の為の専用スペースや家具ではなく、夜以外の時間はソファなんかとして使われている部分を変形させて使用するのです。 住宅のリビングにあるソファの背を倒して寝転べるようにする、そんなイメージで車内にある柔らかそうな部分を寝具として使います。 これはワゴン車の運転席のシートを倒して横になれるようにする、なんて話とは次元が違い、ソファ兼ベッドとして開発された家具ですから 臨時に使うような簡易的な寝心地の悪い寝具ではないのです。 ベッドを日中はソファとして活用する、と言い換えてもいいですし、その上で身体を休めるだけではなく就寝することを前提としたものなので、 健康な方ならば寝つきが悪くなったりもしないでしょう。 枕もクッションを代用してもいいですが、そうかさばらなければ専用の物を用意してもいいですね。

【寝室のスペース】

ではどこに寝具を設置するのかですが、その答えは当然車内です。見たところテーブルや座席、キッチンやテレビがあるからそんなスペースはないよ、 と素人は反論してきますが、そんなものは簡単に収納できるようになっているのです。 狭い空間を有効に使うためにいろいろな仕掛けが施されていますので、ど真ん中に置いてあるテーブルも簡単に片付けられるようになっています。 スライドさせて収納できるようになっていたり、折りたたんで壁と同化させられる仕組みになっていたりと、あっという間にその場から消し去ることが出来るのです。 チェアもコンパクトに折りたためるものや、寝具の一部として使えるものが多いので寝る時に邪魔になることはないでしょう。 テレビやキャビネットも邪魔にならない位置に簡単に移動させられるようになっているでしょうし、キッチンがでしゃばりすぎて寝転がるだけのスペースがない、 なんて設計になっているキャンピングカーも見たことがありません。 人間は主に深夜に睡眠をとる生き物ですし、キャンピングカーにもそれを可能とするスペースや設備が備わっているのは当然です。 むしろそれが叶わないようでは、標準的なサイズの大人が快眠可能なスペースがないようでは、キャンピングカーとしては不合格でしょう。 昼の姿からは思いもよらぬ所に就寝エリアが出現する、そんなカラクリは男性が好みそうな機能ですよね。

【空調設備】

車内で快眠するためには、季節にもよるでしょうが優秀な空調が備わっていることも要求される重要事項でしょう。 避暑地である夏の山でも、そんなに標高の高い所ではなく気圧も低くないのならエアコン無しでは寝苦しくて汗を大量にかいてしまうでしょう。 なかなか寝付けないならまだしもウィンターに山奥でキャンピングカーで宿泊する場合、気温が氷点下近くになることもあるので 眠ったらそのまま二度と目を覚まさない人も数人に1人の割合で現れるらしいです。 窓を閉めていれば寝室に冷気は入り込みませんが車内の温度は外界とそんなに変わらなくなりますから、 例え睡眠は充分にとっているコンディションでも睡魔に襲われてウトウトしてしまう低温の世界もあるそうで、 これは寝付きの悪い人にとっては朗報のようにも聞こえますが実はかなり危険な睡眠法です。 2度と目を開かない永遠の眠りへと誘う、厳しい寒さの環境でエアコン無しの車中泊をするのはそんな事故にもなりかねないことなのです。 でもキャンピングカーならば冷蔵庫やテレビジョン、オーディオなどの電化製品を使っていますし、空調を長時間稼動させるのもお茶の子さいさいです。 大量の電力を消費することを前提に考案された自動車ですので、レンタカー屋で借りられる中で一番安いものでも、 それなりの空調設備が標準装備として付いているでしょうから不安がる必要は全くありません。

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